昨今ニュースなどで頻繁に出てくる話題の一つが、全国的に増えている空き家の問題です。とりわけこうした住宅が増えているのは、地方都市や過疎地です。というのも子供が成長すると、仕事を求めて都会に出て行ってしまうことが多く、子供たちはそのまま都会に定住してしまい、そのうち実家を守る両親がいなくなると、その家は空き家になってしまうというわけです。両親が健在な間は、子供たちはお正月やお盆に帰省して、家族揃って過ごすという楽しみがあります。

また都会に住む孫たちも、地方の一戸建ての広々とした環境に馴染んで、それなりのバランスを取っていたのです。ところが両親が高齢になると、介護の問題から、将来その家をどうするかが大きな課題としてのしかかってくるのです。多くの地方出身者は、実家の近くに空き家が増えたり、慣れ親しんだ商店街がシャッター街になっているのを見たことがあるはずです。ただし空き家になった一戸建ても、実は持ち主がいるのであって、持ち主が遠くにいるために、なかなか管理が行き届かなく、廃屋のように荒れてしまっているというのが現実です。

もちろん売却物件となっている場合もありますが、税金の関係上、解体したくても出来ない場合も多いのです。そんな中、売却された古い一戸建てをリフォーム或はリノベーションして、賃貸物件や宿泊施設にするという動きが出ています。一戸建ての中には、伝統的な和風建築もあり、そのよさを生かしながら、再び人が住めるようにすれば、その地域全体もまた活性化するかもしれないのです。